リペア現場の風景 ~オクターブトーンホールのお手入れ~

JDRリペアマンのつぶやき

皆様こんにちは!

日中の日差しは温かくなりましたが、まだまだ風が冷たいですね。
体調などにお気をつけてお過ごしください。

さて、早速ですが今回はオクターブトーンホールのお手入れ講座+メーカーごとのオクターブホール比較です。

「オクターブキィを押した音が出ずらい…」「オクターブが下がっちゃう…!」「水がよくたまっちゃう…!」
こういったお悩みを解決するためにまず最初に確認するのが‘‘‘オクターブホールに汚れがないか‘‘‘です。

ホール内に汚れが付着してしまうと、汚れが水を含んでホールに水がたまったり、汚れによってホールがふさがってしまうことがあります。
汚れがホール内で固まってしまう前にきれいにしてあげることが大切です♪

なんとオクターブトーンホールは着脱可能です…!
ですが、気を付けて着脱しないと外れなくなったり、交換しないといけなくなってしまいます!

それでは注意点も含めてお掃除方法を解説していきます。
(今回はオクターブホール水滴防止液の使用方法も一緒に解説いたします!)

【使うもの】
・オクターブホールリムーバー

・歯間ブラシ等の細く柔らかいブラシ

・オクターブホール水滴防止液
(水が溜まりやすい!という方にオススメ)

【お手入れ方法】
1⃣オクターブキィを外す

2⃣リムーバーを使ってトーンホールを外す
メーカーによっては第一オクターブと第二オクターブでホールの直径が違います!
混ぜないようにひとつずつ外しましょう。

〔リムーバーの使い方〕
①トーンホールに付いている溝にしっかりとリムーバーの先端の幅を合わせます。
メーカー毎に溝の幅、形状が違うのでご注意ください。

噛み合っていないと外れない上に傷ができてしまいます。
(傷の例)

この傷が悪化してしまうと、トーンホールが外れなくなってしまい、交換が必要になってしまいます。

②真っすぐ上から力をかけ、ホールを回します。
この時、左右に振りながら右回りに回します。
回そうとする力よりもまっすぐ押さえる力を強くかけた方が、滑らず安全に回すことができます。

無事に外せました。

3⃣ホール内を掃除する。
ここで細い歯間ブラシを使います。
アルコールなどを含ませて内部を掃除していきます。
ホールが傷つかないように必ず柔らかい素材で!

内部に水分が残っていると演奏時の詰まりの原因になりますのでしっかりとります。

4⃣水滴防止液を塗布。
ホール内に塗っていきます。
量が多すぎるとべたついて汚れがついてしまうので注意しましょう。
量は下の画像を参考にしてください。

針金をホール内に通し、内側に擦り付けながら満遍なく塗ります。

溢れた余分な液は小さな綿棒などでしっかり拭き取りましょう。

5⃣オクターブホールを楽器に戻す。
余分な液や汚れが付いていないことを確認したら左に回して元に戻していきます。
この時も、まっすぐ、傷をつけないように注意して行います。
緩すぎても締めすぎても故障の原因になってしまいます…!

6⃣オクターブキィを戻したら完成!

このような流れで行っています!
ホール内の異物がなくなって息の通りが良くなっているはずです…!

_______________________________
ここからはオーボエのオクターブホールの紹介になります!
今回解説で使用したマリゴの他、ロレー、ヤマハの見た目とホールの直径比較をしてみました!

【見た目】

【ホールの直径】

メーカー 第一オクターブ 第二オクターブ
マリゴ 0.7mm 0.8mm
ロレー(ロイヤル/エトワール 他) 0.75mm 0.75mm
ロレー(140モデル/キャバール 他) 0.7mm 0.7mm
ヤマハ 0.75mm 0.75mm

メーカーによる違いが出ていますね。
吹奏感にも違いは出ますので自分に合ったメーカーを探してみるのもいいかもしれませんね。

それでは今回はここまでとなります!
オクターブホールのお掃除はアトリエで承っております!お気軽にご相談ください!

最後までお読みいただきありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします!

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【これまでのリペアの現場の風景】
〔第一弾〕

〔第二弾〕

〔第三弾〕

〔第四弾〕

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