リペア現場の風景 〜ファゴット U字管の凹み修理編〜

JDRリペアマンのつぶやき

夏本番、外に出るだけで汗だくな毎日、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
室内にいても気付かないうちに脱水症状になるそうなので、アトリエでも水分補給を忘れずに修理に励んでいます。
皆様もこまめに休暇・水分補給をし、楽しい楽器ライフをお送りください!

 

さて今回のリペアマンのつぶやきは、

《リペア現場の風景》としまして、実際に楽器修理の様子をご覧いただくシリーズ、
第2弾としてファゴットのU字管部分の凹み修理を紹介していきます!

なぜか凹むU字管、そのままになっていませんか?
凹んでいると凹み部分の内径が細くなり、凹みの大きさによっては吹き心地や音程に影響が出る可能性があります。

U字管の凹みは、このようにキレイに修理ができます!

before                  after
  

調整の際に一緒に直してはいかがでしょうか?

 

手順をご紹介します。
まず、色々な角度から凹みの箇所・大きさ・形などをチェックし、どのような手順で直していくかイメージします。

このU字管は水分が乾燥する際に出る白い塊りがあります。

魔法の液体でクリーニングしておきます。

凹みは球を棒に溶接した球付き芯金(呼び方は色々あります)を使用します。

球付き芯金を万力にしっかりと固定し、凹みを丁寧に手の力で押し出していきます。
この際、「まぁるくなぁれ、まぁるくなぁれ」と願いを込めるのがポイントですd(^_^o)

※手が痛くなるほどの力が必要になる事も!!

細かな凹凸はハンマリングをして仕上げます。

 

色々な角度でチェックし、キレイな丸が描けていたら完成です♪

凹みの修理後は調整に取り掛かる前に手を休めたり、別の作業をしないと力の入った調整になってしまうので、
技術者は身体と心のコントロールをしながら修理と向き合っています!

いかがでしたでしょうか?
凹みが気になっていた方はぜひご予約・調整の際にアトリエスタッフへお声掛けください!

※ボーカルやU字管キャップはとても硬く、凹みお直しできない事がほとんどです。ご承知おきください。

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