寒さが身にしみる日々、皆様いかがお過ごしでしょうか?
冬になると、『楽器の管内に水が出やすくなる』とはよく聞く話ですね!
なぜでしょう?
楽器の管内の水の正体はズバリ、、、
『結露』です!
知ってるよ!!!
という方も多いと思いますが、管楽器ではなぜか『ツバが出る』と表現することが多いです。
今回のリペアマンのつぶやきでは、結露が発生する仕組みについて触れていきます。
①温かい空気が冷えると結露する
皆さんは、コップに氷水を入れるとコップの外側が濡れるのを体験したことがあると思います。
これは、氷水がコップを冷やし、コップが外側の空気を冷やし結露して水滴が付きます。
冬場、朝起きると窓ガラスが濡れているのも同じ現象ですね。
②冷たい楽器に温かく湿度のある息が入る
人が口から吐く息は、体温と同じくらいの36℃前後・湿度約100%と言われています。
(口から出た直後の温度・湿度)
楽器の木部は温度が上がりにくいので、温かい息が楽器で冷やされ管内に結露が発生します。
先ほどのコップと内側・外側が逆の現象です。
つまり、結露は温かい水蒸気をたくさん含んだ空気が冷やされて発生するのです!
【豆知識☝】
冬にハァーっと息を吹くと白く見えるのは、温かい息の中にある水蒸気が冷たい空気に冷やされて水滴として見えるから☆
吐く息が白く見えるのは気温13℃以下と言われています。
以上のことが、楽器の管内に水が出る仕組みとなります。
故障ではなく自然現象ですのでご安心ください!
とは言え、放置はできません!!
放置すると故障に繋がります!!
ご自身でこまめなケアをお願いします!
・管内に水分が充満する前にスワブなどで水分を拭きとる(オーボエ・ファゴット)
・トーンホール(特にオクターブホール・ピアニッシモホール)の水分を頻繁に吹き飛ばす(オーボエ・ファゴット)
・楽器のトーンホール面を下に向けない(オーボエ・ファゴット)
・管体割れ予防オイル(ボアオイル)をご使用いただく(オーボエ)
・オクターブホール付近(楽器上部)を手で握り温める(オーボエ)
などがポイントとなります。
近年は夏場でもエアコンで冷えた環境で楽器を吹かれることも多いと思います。
楽器を吹く時に結露の仕組みを少しだけ思い出していただき、楽器のケアの助けとなれば幸いです!