皆様、こんにちは
6月に入り季節の変わり目…皆様いかがお過ごしでしょうか?
気温も暑くなったと思ったら、次の日には急に涼しく…なんて日もチラホラ。
湿度も次第に上がってきて、リードが急に変化したり、重くなってきたり…というお声もお店でお聞きしています。
さて、本日は前回のスタッフコラム、アトリエブルゲローニのイベントレポートに引き続き、今回は同社の「楽器」をテーマにより詳細な楽器の解説・紹介をお届けしたいと思います!
【前回のイベントレポートはコチラ】
今回、ご紹介するのは、アトリエブルゲローニの”Aida”モデル。
実は、何年も前からAidaという楽器はアトリエブルゲローニのラインナップに存在しているのですが、これまでのAidaは全体が木材で設計されたオーボエでした。最近になって設計を一新し、上管に「特殊合成材(レジン)」、 下管とベルを特殊加工木材という異なる2種類の素材を使用して製作する「ハイブリッド」タイプのモデルになっています。下管とベルに使われる木材は「グラナディラ」、「ココボロ」、「モパネ」の3種類があり、設計はそれぞれ同じでありつつもそれぞれの木材の違いによって異なるキャラクターを持っていることが特徴です。

上の画像はメーカーの公式ページからお借りした、「グラナディラ」製の”Aida”の写真です。通常は銀メッキですが、オプションで部分ポスト、または全体の金メッキ加工が可能となっています。
さて、ここからは現在JDRで在庫している楽器から、このモデルの特徴をより詳しく見ていきたいと思います…

「ココボロ」、「グラナディラ」材の楽器の上管・下管のジョイント部の拡大写真です。こうしてみると上下のコントラストから素材感の違いが視覚的にはっきり見えるかと思います。上管はすこし均一的は表面なのに対し、下管は木の質感がしっかりと現れています。
ここは写真からは少し伝わりにくいのですが、「ココボロ」の楽器の上管は、加工前の合成樹脂素材を作成する段階で”木目感”を意識した着色がなされています。これが加工され楽器になることによって、意匠的にも非常にエレガントな仕上がりになっています。「樹脂素材」と聞くと「プラスチック」的なテクスチャーがイメージされてしまいがちですが、そのような印象を感じさせない見た目です。ちなみに「グラナディラ」の方の上管は「木目感」はなく見た目的は均一な印象ですが、「シックさ」を感じさせる仕上がりです。
次はこの素材を断面的に見ていきたいと思います…

少しわかりにくいかもしれませんが、上の写真が上管のジョイント部を、下の写真が下管のジョイント部をそれぞれ断面的に見たものになります。
上管の管体断面にはうっすらと層状の線が入っており、下管断面は木目になっています。下管の特殊加工木材は、木材と樹脂とを何層にも重ね合板状にすることで成形されており非常に硬度の高い素材です。
ちなみに上の写真で金属のジョイントリングの内側に円形に材料が埋め込まれる形で入っていますが、この加工を施すことにより、よりそれぞれの素材の響きが上から下へと伝わりやすくなる仕組みになっているとのことです。
Aidaのモデルに使われている特殊合成材(レジン)、実用に至るまでに様々な素材を試行錯誤があったそうです。エボナイト、最新の医療器具等で使用される特殊な樹脂材料なども試す中で、材料のコスト、加工に際しての素材の使い勝手など製造コスト、そして何より楽器として魅力的な材料…さまざまな要素を考慮に入れて実験の中で模索してこられたとのことです。
そういう試行錯誤の中で今回使用している合成材を製造するメーカーとのご縁があり、実現したのがこのAidaモデルになります。
吹き心地は全体が木製の楽器よりも「軽い」印象なのですが、音としては芯や力強さも感じる印象となっています。素材独特の「しなやかさ」を感じる吹奏感です。
ご興味がある方、是非一度お手に取っていただければと思います!


