《オーボエの重さを量ってみた!》シリーズ第2弾です!
気が付けば前回のロレー編から約2年半もの月日が経っていました・・・。
前回のロレー編はこちら↓↓↓
オーボエを1本1本、上管、下管、ベルごとに量っていく本シリーズ!
今回はマリゴ、ヤマハの楽器を量ってみました。
JDRの在庫楽器だけでなく、スタッフ所有の楽器やお客様にご理解いただき、計測させていただいたデータも入っております。
数ヶ月かけて40本以上の楽器を計測してみました!
それでは早速、ヤマハの計測結果からご覧ください!
| 機種名 | 上管 | 下管 | ベル | 総重量 |
| YOB-431 | 240g | 306g | 102g | 648g |
| YOB-831 | 248g | 338g | 110g | 696g |
| YOB-831(旧タイプ) | 249g | 334g | 113g | 696g |
| YOB-821 | 250g | 345g | 100g | 695g |
(※JDRで計測した重量の平均値ですので、あくまで参考です)

やはりキィが多いこともあり、上級機種である831シリーズの方が約40g重いです。
431シリーズは、前回、計測したロレーの楽器を含めても最も軽いですね。
重量だけではないと思いますが、この軽さが431シリーズの鳴らしやすい吹奏感や扱いやすさの要因の1つかもしれません。
ヤマハの歴代のカスタムシリーズを見てみましょう。
現行の831と旧タイプの831では重量の差はほとんどありません。
旧タイプの831には金属製のベルリングが装着されていたため、やや重いのでしょうか。
1999年まで生産されていた、821シリーズを見てみると、831とは重量のバランスが違うことが分かります。
計測した楽器が2本のみなので、個体の特徴だった可能性も否めませんが、下管が重く、ベルが軽いという特徴的な重量バランスです。
カスタムシリーズ3機種を比べてみて、総重量はほぼ同じにもかかわらず、それぞれ音色や吹奏感に特徴があることから、重量以外の要素によっても楽器の特徴はかなり変わることが分かりました。
そして、831用キングウッド製のベル単体の在庫もありましたので(2025年4月現在)、こちらも計測してみました!
重量は最も軽いもので95g!
今回計測したグラナディラ製のベルの平均値が110gでしたので、大きな違いがありました。
ベルのみ別素材のものに変えて、音色や吹奏感の違いを楽しんでみるのも良いですね。

続いて、マリゴの計測結果です!
| 機種名 | 上管 | 下管 | ベル | 総重量 |
| 901(43000~44000番台) | 267g | 357g | 115g | 739g |
| 901C | 252g | 358g | 112g | 722g |
| 2001 | 263g | 360g | 110g | 733g |
| 901(14000~16000番台) | 244g | 329g | 104g | 677g |
| 901(6000番台) | 245g | 329g | 113g | 687g |
(※JDRで計測した重量の平均値ですので、あくまで参考です)

ヤマハに比べると全体的に重いことが分かりました。
意外だったのが、コンポジット(樹脂)製の901Cの上管は、通常のグラナディラ製の上管よりも軽いということです。
樹脂製の楽器の方が重いイメージでしたが、実際には15gほどの違いがありました。
そして901と2001では、重量面においてほとんど違いはありませんでした。
ヤマハのカスタムシリーズと同じように、重量以外の面で違いがあるようです。
ロレーの楽器を計測した際のように、1980年代の楽器(14000~16000番台)も計測してみました。
やはり現在の楽器より重量面ではかなり軽いです。
各メーカー、この40年ほどで重くなっていました。
ただ、マリゴの11000番台以前の楽器は肉厚ベルになっているため、6000番台のマリゴオーボエは
ベルが重いことが分かりました。
いかがでしたか?
前回のロレー編では、【内径・トーンホール】はほぼ同様の設計で、【外径・重量】が異なるakモデル、ロイヤルモデルにおいて、重量の違いが音色や吹奏感に大きな違いをもたらすことが分かりました。
しかし、今回のヤマハ・マリゴ編では重量にほとんど違いがなくても、音色や吹奏感に違いがあることが分かりました。
やはり楽器は奥深いですね・・・。
そして、そんな違いを体験できるのがJDR大試奏会です!
来月のゴールデンウィーク期間5/3(土)~5/6(火・祝)にJDRサロンにて開催されます。
ぜひ、実際に楽器を持って、吹いてみて、それぞれの楽器の違いをお楽しみください。



