人生に灯る赤い糸(阿部)

先日、用があって母校の吹奏楽部に顔を出してきた。
お世話になった先生方の姿はなく、校舎だけが当時のままだった。
帰り際、懐かしさもあってオーボエの「パート棚」をのぞいてみた。

驚いた…。

高校2年の秋、新宿にあるオーボエ専門店で買い求めた
リード用の糸が、お菓子の缶に入ったままだった。

もう30年以上前の思い出が、鮮やかによみがえってきた。
あの頃は何にでもなれる気がした。


試しにその糸でリードを巻いてみた。
上の写真が、それだ。

糸を巻きながら、ふとこんなことを考えていた。

高校時代は朝から晩まで部活に打ち込んでいた。
練習すればオーボエがうまくなると思っていた。
オーケストラの演奏を狂ったように聴いていた、
分かるはずもないのに…。

卒業するときには、夢だけが両手からこぼれ落ちていた。

私は今、偶然とたくさんのご縁が重なり
その糸を購入した新宿のオーボエ専門店で働いている。

高校生のときには、思いもしなかったはずだ。
まだ10代後半だった当時の自分に伝えたい。

今の私は、あの頃の毎日で出来ている…と。

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