世界のダブルリード楽器(タロンペット編)(森田)

皆様こんにちは!

11月も半ばを迎えいよいよ寒さや乾燥も厳しくなってきたように感じられますが、いかがお過ごしでしょうか?

本日のコラムでは中々普段目にすることがないオーボエ・ファゴット以外の世界のダブルリード楽器から『タロンペット』という楽器をご紹介したいと思います。

この楽器はインドネシアではジャワ島とやマデュラ島の一部地域における小規模なアンサンブルで主旋律として演奏されるダブルリード楽器で、地域によって呼称の異なる類似の楽器があるのですが、中でも特に西ジャワのスンダ地方で使われている「タロンペット」と呼ばれる楽器が有名なものになっています。

実は今年に私はたまたまインドネシアに旅行する機会があり、たまたまこの楽器について間近で触れる機会がありました!その際に撮影させて頂いた楽器の写真がこちらになります!楽器は木製で、材質としてはJati(ジャティ)というチーク材や、Surian(スリアン)と呼ばれるセンダン科の木材…等が主に使われるそうです。

見た目や装飾としては質素・簡素なものも多いですが、写真の楽器はかなり装飾や意匠にも凝ったデザインになっています…!

またコチラの写真だとわかりにくいかもしれませんが、一番手前に置いてある楽器の先端に小さな扇形の小さいパーツが付いており、これがタロンペットのリードになります。

ここからはこのリードについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

コチラが、タロンペットのリード…扇形をしています。材質はココナッツ(ヤシ)の葉からできており、チューブの部分は一見、プラスチック製にも見えますが、ニワトリの骨の細い部分(どこの骨だったかはお聞きしたのですが忘れてしまいました…)を使用しています。

リードの作り方としては、ココナッツの葉の茶色くなった部分を木から取ってきて(落ち葉になっているものは使わない)、ある大きさに帯状にカットし、くるくると折りたたんだものを用意し、それを成形するように切って作っていきます(文章の説明だとわかりにくくなってしまいますが💦)

コチラが、リードを実際に手に持ってみた際の写真です。親指の先端程のかなり小さいサイズ感。2枚目の写真はリードの吹き口を撮影したものになりますが、リードの片側がココナッツの葉が3層に折り重なった形になっていることがわかります。ここが先程作り方でご説明した、「くるくると折りたたんだ葉を切る」ことで現れる、形の特徴になります。

鳴らしてみた際の特徴はやはり葉からできているので柔らかく、草笛に近いような独特の振動があり、オーボエやファゴットのような葦のようなシッカリとした固さ感はありませんでした。実際、リードの消耗はしやすく柔らかいので破けてしまったりすることもあるそうです。

音はまたこれは独特です…イメージしやすいものだと「チャルメラ」に近いかと思います。

YouTubeなどで「sundanese tarompet」などと検索していただくといろんな演奏の動画が出てくるのでご興味ある方は是非ご覧ください!

いかがだったでしょうか…?これを機に自分はオーボエ・ファゴット以外の世界のダブルリード楽器にも興味が出てきたのでいろいろ調べており、また自分のスタッフコラムの機会にご紹介させて頂くこともあるかもしれません!

お楽しみいただけたら幸いです…それでは、また次回!!

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