「割れ」について再考しました

春になり湿度も上がってきており、楽器にとっての最適湿度となってきました。

割れの修理もようやく落ち着きをみせています。

ここであえて「割れ」というものを再考しました。私共で調べた結果を以下書きたいと思います。

なぜ楽器(管体がグラナディラ、ローズウッドなど)に割れが生じるのか。

木材は湿気(目に見えない水分、水蒸気)を吸って膨張し、湿気を放出して収縮、乾燥します。

演奏後に過度な乾燥状態の環境(エアコンが稼働している場所、とくに暖房がきいている場所)に放置すると、

木材の表面が急激に乾燥します。これが割れの主因です。

木材の膨張率は極めて小さいので、温度の変化に伴う管の膨張や収縮はごくわずかです。

したがって、温度変化が直接割れを引き起こすことはありません。

しかし、楽器をカイロ等で温める、エアコンの風が直接当たる場所に楽器を置くなど、

周囲の湿度が急激に低下するような温め方をすれば、木材が割れやすくなります。絶対にしないでください。

もし楽器が冷たくて温めたい場合は手で直接温めてください(適度な湿気があるため)。

手で温めた後は手の油分などをクロスでしっかりと拭いてください(キイが錆びる原因となります)。

大事なのは、「湿度」を急激に下げない、ということです。湿度が十分に高ければ、温度を上げても割れることはありません。

以上が再考結果です。より良い対策があり次第またアップしていきます。

 

 

 

 

 

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