【リペア現場の風景】中古楽器がお店に出るまで―パート2―

皆様こんにちは!
改めまして、明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
新年が明けて一週間経ちましたがいかがお過ごしでしょうか?
2026年最初のコラムは、アトリエが担当させていただきます!

早速ですが、今回の『リペア現場の風景』は中古楽器整備のパート2となります!
前回予告させていただいていた、バランサー修理の様子をお伝えさせていただきます。
それではご覧ください!

〔パート1 磨き編はこちら〕

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【バランサーとは?】

楽器をストラップにかけるためのパーツです。
通常、ファゴットにはストラップリングが付いており、そこにストラップを引っかけて楽器を支えます。
バランサーは、ストラップをかける位置を変えることにより、楽器の重心を変えることができます。
ファゴット奏者の悩みとなりがちである左手の負担を軽減、姿勢の改善をすることができます。

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【実際の作業】

こちらが今回修理するバランサーです。

主な修理箇所を拡大すると…

穴が削れて歪んでいるのがわかります。

このようになる原因は、主にストラップのフックが関わってきます。

フックに使われる金属は、楽器の重さに耐えられるように固いものが多くあります。
そのため、長年使用しているとフックが擦れて穴が削れてしまうことがあります。
気付かず使い続けると千切れることもありますので、たまに点検してみてください…!
千切れる前に、買い替えか修理をご検討ください!
(楽器の購入時期によっては、現在販売している形状と異なる場合がございます。)

それでは作業に入ります。
作業工程としましては、

①穴の形を整える
②整えた穴に金属リングをはめて周りと同じ穴の大きさにする
③磨き、めっきがけ

という流れになります。

〔1.穴の形を整える〕
まずは成形です。

フックで削れている都合で、かなりいびつに削れています。
ここに合う形の金属パーツを作るのはかなり難しいので、穴を広げて大きくきれいな形にします。

このように削る工具を入れて少しずつ広げていきます。

広げて広げて…

ここまで広げて大きな凹みはなくなりました!

このままにすると強度が足りないので、金属リングをいれて周りと穴の径を合わせていきます。

〔2.整えた穴に金属リングをはめて周りと同じ穴の大きさにする〕

新しく整えた穴用のリングを作ります。

まずは今広げた穴のサイズに合う金属棒を用意します。

用意できましたら、これを筒にしていきます。

前回も登場しました旋盤を使って、周りと同じサイズの穴を開けます。

筒ができましたら、これをバランサーと同じ厚みのリングに切って、はんだ付けします。

飛び出したりへこんだりしないように注意して付けます。

しっかりと付いたら、表面を整えて磨きに入ります。

〔3.磨き、めっきがけ〕
最終段階です。

現在はこのような見た目をしております。

このままめっきをかけるとうまくかからないので、今回もバフをかけて磨いていきます。

綺麗になりましたらめっきをかけます。

完成!!

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いかがでしたでしょうか?
今回はバランサー修理をご紹介させていただきました。
ファゴットの縁の下の力持ち的存在のバランサー、チェックしてみてください♪

さて、中古楽器整備は次回で最終回となります。
磨きが終わったファゴットの各種調整に入ります。
是非ご覧ください!

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