Oboe
オーボエのルーツは、13世紀ごろにイスラムの軍楽隊楽器として使われていた「ズルナ」とされています。その「ズルナ」がヨーロッパでは「ショーム」という名で広まりました。
ショームは17世紀ごろまで用いられましたが、その後オットテール一族らがショームを改良し初期のオーボエを作りました。そのオーボエは、人の歌声にも似た心地よい音色が人気となり当時の作曲家(アルビノーニ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、初期のベートーヴェン)に好まれました。
19世紀の初めには、トリエベール親子が多くの改良型のオーボエを制作しました。その意志をロレーが継承し現在に至ります。ロレーが完成をさせたオーボエは、世界の標準となりました(ウィーンを除く)。
オーボエの内部は、とても細い管が徐々に広がっていく円錐形状をしています。表現力が豊かで変化にとんだ音色を持つオーボエは、オーケストラ、吹奏楽、ソロ、と活躍の場は無限大と言えるでしょう。
初期の頃のオーボエから変わらない魅力は、人の心を惹きつけてやみません。
Bassoon
17世紀ごろ、現在使われているファゴットの原型が誕生したといわれています。
19世紀になると、ドイツのファゴット奏者アルメンレーダーが「よりよい楽器へ」という思いを胸に数々の改良に取り組みました。
熱意を持って研究を続けるアルメンレーダーの活動に、作曲家のベートーヴェンは興味を示したそうです。
しかし、志半ば1843年にアルメンレーダーが亡くなると、その意志は同僚のヘッケルに引き継がれます。
そして、ヘッケルの手によってファゴットは大きく進化をとげ、現在に至っています。
ボディは楓(メープル)を使用するのが一般的で、木製の長い管を2つに折り曲げた構造です。
そのため、音色は暖かみがあり他の楽器とのブレンドもよく、聴き手の心を和ましてくれます。また、音域が広いことも特徴としてあげられます。
ファゴットが加わることによって、全体の響きがより豊かになり表現力が増します。
現在の演奏の現場では、無くてはならない存在と言えるでしょう。