少しずつ暖かい日が増え、春の訪れを感じる季節となりました皆様いかがお過ごしでしょうか。 今回は、先月に続き「リペア現場の風景」をお伝えしたいと思います! ファゴット、イングリッシュホルン、オーボエダモーレなどなど… 演奏の度に必ず使用する、ボーカルの「コルク交換の仕方」について特集していきます!
【使用するもの】
片刃、カッターマット、スケール、ラック、お湯、ガスバーナー、真鍮棒、ハンドバイス、紙ヤスリ
それでは、早速交換をしていきましょう!
①まず、元々付いていたコルクがどんな状態か観察していきます
白丸の部分にコルクが剥がれている箇所があり、実際にテナージョイントに取り付けると緩く、吹いているとボーカルが動いてしまっています…
このような状態は交換が必要になります
②次に、剥がす前に縦の長さと成型に必要な厚さを測り、適した厚さのコルクを選び切ります。
その後、コルクの接着力を高めるためにのりしろを作ります。
③真鍮棒をよく熱して、ボーカルの中に差し込みラックを溶かしていきます。
ラックとは?
熱帯アジアに生息するラックカイガラ虫から採取される分泌物です
ラックカイガラ虫は樹木に寄生し、その樹皮から樹液を吸って生活していて、樹脂状物質を分泌します。
これを、リペアの現場ではコルクやタンポなどを接着する際に使用しています!
こちらの真鍮棒は、分解するとこのような形になっており、真鍮棒からボーカルの直径に合わせて旋盤にて加工したものになります。
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真鍮棒を熱してボーカルを温めていくと…
コルクが綺麗に取れました!
④ボーカルを掃除し、コルクを巻き付ける部分を熱しながら、接着部分・コルクののりしろにラックを塗布します。
ボーカルの下のリングはハンダ付けされているため、ボーカルを温めすぎると取れてしまいます!
ラックを塗る際は、ラックが溶ける温度、かつハンダ付けが取れない温度までボーカルを温めてください。
⑤通常のコルクの場合、曲げたりすると割れてしまうため、お湯に浸けて柔らかくしていきます
⑥ボーカルを熱してラックが溶けたところでコルクを接着し、テープを巻き付け仮止めをします。
⑦③と同様、ラックを溶かし隙間がないようにしっかりと接着していきます。
⑧接着ができたら、紙ヤスリで成型していきます…
緩すぎず、きつすぎず、そして見た目が綺麗に見えるように慎重に削っていくと…
完成しました!
ラックが溶けてから固まるまでのタイミングや、使用感・外観どちらも良い状態に成型するなど、多くのポイントが詰まった作業になります。
みなさまのボーカルの状態はいかがでしょうか??
もし、ゆるかったり、破れて使えなくなってしまっていたら交換いたします!
全体調整だけではなく、ボーカルコルク交換のみの修理も行っていますので、お気軽にご相談ください
今月は、リペア現場の風景「ボーカルコルク交換」をお伝えいたしました!
また来月もお楽しみに