皆様こんにちは!
だんだんと気温が下がってきて過ごしやすくなってきました。
季節の変わり目ですので、お体ご自愛下さい。
さて、今回のリペアマンのつぶやきは《リペア現場の風景》第三弾、オーボエのジョイントコルク交換です。
実はジョイントコルクは楽器の吹き心地にも関わる重要なパーツです。
きつければ組み立てが困難になりますし、ゆるければ組み立て方によって調整が変わったりしてしまいます。
湿度や劣化により変化するので、アトリエでも修理品をお預かりする際に必ずチェックしています。
手順をご紹介します。
① 元々ついていたコルクをはがす
古いコルクや接着剤が残ってしまうと接着不良の原因になるので丁寧にはがします。
接着剤に合わせて、アルコールやホワイトガソリンなどではがします。
こんな道具を使用しています。
② コルクを切り出す
楽器ごとに幅、厚みが異なるので、楽器に合わせて切っていきます。
まっすぐきれいに切り出すことが、この後の貼る作業のクオリティにも直結します。
長方形に切った後に一辺を斜めに切ることでのりしろを作っています。
③ 楽器に新しいコルクを貼る
隙間がなくなるように淵までしっかり入れます。
この時、ヨレたり隙間ができてしまうと、剥がれたり欠けたりする原因になるので念入りに押し込んでいます。
アトリエでは瞬間接着剤を使っています。
理由としては、コルクグリスの油分によってゴム系のボンドが劣化してしまうからです!
少しでもジョイントを長持ちさせる工夫です♪
④ コルクを楽器に合わせて削る
きつさはもちろんのこと、形も整えます。
角が立っていると組み立て時に欠けやすくなりますし、丸く削りすぎるとジョイントがカタつく原因になってしまいます。
試しに組み立てたりしながら調整していきます。
淵に乗ってしまったコルクや接着剤は片刃カミソリなどでしっかりと落とします。
見た目だけでなく、きつさや強度にも関係します。
Before (貼ったばかりなのでまだ角があります)
After (調整して角が丸くなりました!)
ここまで整えたら完成です!
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いかがでしたでしょうか?
貼って削るだけの作業ではありますが、実は調整において重要な役割を担っています!
湿度や劣化によって変わりやすいパーツですので、こまめに気にかけてあげてくださいね♪
少しでも気になることがございましたら、アトリエスタッフにご相談ください!
~リペア現場の風景 第一弾、第二弾はこちら~
第一弾
第二弾