梅雨が明け、本格的に暑い日が続くようになりましたね☀️
エアコンがキンキンに効いた室内で快適に練習👍
ちょっと待って!
リペアマンのつぶやきをご覧の皆さまはお気づきですよね!?
冷えた室内では楽器も冷え、水分の多発やヒビ割れを誘発なんて事も!
その場・その時に合ったエアコンの使い方で、身体も楽器も快適に♪
さて、今回の修理現場はファゴットのトーンホールの修理です。
『トーンホールの修理?』と思われる方も多いと思いますが、まずは楽器の状態を見てみましょう。
ファゴットのブーツジョイント・A♭(G#)のトーンホールが傷んでしまっています。

・U字管に水が溜まりっぱなし
・タンポが湿りっぱなし
・スワブを通す回数が少ない
このような事が原因で、木部が水を吸い、管体を傷めてしまう事があります。
特に、構えた時にいちばん下の前面にあるA♭(G#)トーンホールへの影響が大きく、
気付いたら水分が浸透してしまい、木が柔らかくなってしまっている事が多くあります。
すると、トーンホールが崩れたりしてタンポが塞がらず息漏れを起こしてしまいます。
この状態を『トーンホールが腐っている』と表現する事があり、大きな修理が必要となります。
今回ご依頼の楽器は、すでに接着剤などで修正された痕があります。
更なる修正は難しいので、傷んだ部分を除去し、新しくトーンホールを作っていきます。
まずは、傷んだ部分を削る工具を作製します。

このような専用工具は、その楽器の状態に合うサイズが必要なので、
都度、楽器に合わせて作ることもあります💦
傷んだ部分を削り落とします。

柔らかくなってしまった木部は崩れやすいので、接着剤で固めながら進めたりもします。

旋盤を使い、ハードメープルの丸棒からトーンホール上面を削り出します。


接着剤で貼り合わせ、同じメーカーの現行モデル(写真上)と同じような形を目指します。

👉ファゴットのトーンホールは斜めに開いている箇所が多く、穴が楕円に見えるのはそのためです。
成形後のトーンホール


最後に保護のための塗装をし、タンポを交換して完成です👍

ファゴットはメープルの木で出来ていて、中でもハードメープルと呼ばれる堅い部分を使用し、
管の内側など、一部に防水のために樹脂パイプが使われています。
メープルはオーボエなどに使われているグラナディラより柔らかく水分を吸いやすいので、
楽器を傷めないためには、こまめに水分を拭き取る、保管時にU字管を外して乾きやすくしてあげるなど、ご自身でのケアが不可欠です!
このような修理は、お預かり期間や修理料金も多くかかりますので、ご依頼の際はアトリエまでお電話にてご相談ください!
アトリエ直通☎03-3346-1727
↓通常の全体調整のご予約は、WEB予約ページでもお申込みいただけます↓
※WEB予約はJDRにて楽器をご購入いただいたお客様のみ、ご利用いただけます。

