【イベント小話】Lorée Special Dayを終えて（森田）

2024.12.17

スタッフコラム

皆さま、こんにちは！

2024年も残すところあと僅か…今年は10～11月も暖かい日が続いておりましたが、12月に入りいよいよ本格的な寒さが到来という感じがします❄

さて、本日のスタッフコラムでは今月頭に開催された、イベント”F.Lorée Special Day”…その模様については既にロレー社やJDRのSNSを通じてお届けしていますが…

F.Lorée Facebookより

JDR Instagramより

今日のコラムでは、イベントに携わった「JDRスタッフ」の目線から、またこのイベントの雰囲気をお伝えしたいと思います！是非最後までお読みいただけると幸いです！！

ロレー社は現存する世界で最も古い歴史を持つオーボエメーカーとして有名ですが、その創業は1881年…これまで4世代に渡ってオーボエを製作し、現代オーボエの主流となる「コンセルヴァトワール式」キィシステムの開発にも貢献してきました。

JDRは長年に渡りダブルリード専門店として数多くのロレーの楽器を国内にお届けしてきました。そのような中、これまでにもロレー社を定期的にお招きしてイベントの開催をしてきたのですが、直近ではコロナ前の開催を最後に今年は約6年振りの開催となりました。
この度のイベントは楽器展示試奏会、ロレー社の熟練の職人オリヴィエ氏による楽器無料調整修理ブース、2022年よりロレーのアンバサダーを務められている、アントワープ交響楽団・首席オーボエ奏者のエリック・スぺレール氏による公開レッスン、ショートリサイタル…等、とにかく盛沢山の内容になりました。

イベント展示のロレー楽器小話

今回の楽器展示試奏会では、JDRにあるロレー楽器のストックに加えて、このイベントに向けてロレー本社から厳選し持参された”140”、”エトワール”が展示されました。
この”140″モデルはロレーが創業140周年を記念し2022年に発表されたモデルになりますが、従来のモデルに比べ、”より”「ショートスクレープ」のリードを使用する奏者に合わせて設計されたモデルになっているのが特徴になります（ロレーはモデルにもよりますが一つの標準として使用者も多いアメリカに照準を合わせ「アメリカンスタイル（ロングスクレープ）」を念頭に楽器を設計しています）。

コンセプトとして、ショートスクレープ奏者に向けた”140″モデルですが、開発にはフランスのリヨン国立歌劇場管弦楽団オーボエ奏者、マッテオ・トレンティン氏が共同開発者として携わっており、2022年には、エリック・スぺレール氏が新たにロレーのアンバサダーとして加わり、エリック氏からの更なるフィードバックを踏まえて、この2年間の間に改良が重ねられています。

この辺りの経緯についてロレー社のオリヴィエ氏にお話しを伺ったところ、エリック氏がアドバイザーとして加わったことにより、また違った奏者の意見・角度から「ショートスクレープ」により適した設計を模索し、とくに「上管の設計」について改良を重ねられてきたとのことです。ちなみに、エリック氏ご自身が使用されている楽器は”エトワール”なのですが、氏のフィードアックを基にこのモデルについても「ショートスクレープ」志向の設計が改良として取り入れられていっています。
試奏会会場では、実際に楽器をお手に取っていただいた皆様がそのパフォーマンスとクオリティの高さに驚かれ、「昔のロレーとまた印象が全然違う…」といった感想をお聞きできたのが印象的でした…。

ロレー社のオリヴィエ氏と…

ロレーのオリヴィエ氏による、楽器の修理調整会では、普段日本では触れることがなかなかないであろう、メーカーの技術者によるリペアを間近で体感できる機会となりました！（今回の機会では、皆様から調整希望の声を多数いただきましたが、お時間等の都合上、お受けすることが叶わなかった方もいらっしゃり大変恐縮です…）以下の写真はJDRの技術課とオリヴィエ氏による質疑応答や意見交換のためのミーティングの様子になります。メーカーの開発者・技術者からしか聞けない楽器に関する様々なお話を紹介していただきました。お伺いした内容がとにかく多岐に渡り、一つのトピックや質問について、JDRのリペアスタッフから更に質問が重なったり、紹介される内容がとにかく専門的な事柄・ディープになっていき、「時間がいくらあってもたりない！」という感じでした。また、JDRが普段、皆さまから頂くロレー楽器に関するご意見や、私たちが日々の仕事を通じて感じていることなども直接お伝えすることができ、オリヴィエ氏にとってもそのような意見から考えられることがあるようでした。